コールフロムセルビア

母親「セルビア行ってくるわ」
私「は」

私と弟がある程度大人になって手が掛からなくなったときから、母親はよく旅行に行くようになった。そのほとんどは格安の日帰りだったり1泊で、多い時一ヶ月に2〜3回。いずれも土日ですっぱと終わらせて帰ってくる。昔からお互いが放任主義なので土日見かけないな〜って思ったら旅行行ってたとか（その逆で私は友達の家に泊まりに行ってたとか）結構そういうのが普通な家庭である。海外は私が社会人になったぐらいから職場の海外旅行によく行く人と一回行っていた。
ところでなんでセルビアなのか、っていうかセルビアってどこだよ。聞き慣れない国の名前に少し不安になったので携帯を海外でも使えるようにしたら？と勧めた。出発準備で母親が携帯会社に行ったけれど、特別な事しなくても通じますよ、ということなので何もしないで帰ってきた。母曰く、メール受信も送信も出来るけど、続きを受信するとお金掛かるが件名は見れる。電話も繋がる。とのことだった。
うーむ、今からwi-fiだとか何だとかっていっても絶対わかんないだろうし、リアルタイムに状況報告出来るものがないなと困っていた。けれど海外旅行慣れしている同行者がいるので、まあいいかと不安に思う事はやめた。

けど、一日一回でも何でもいいから、私の携帯にワンコールしてくれよ、と頼んだ。
出たら料金が発生するから着信で確認させてよ。と。

先程私の携帯が鳴った。電話に出るために画面をスライドしそうになってあわてて指を止めた。画面に出ている母親の名前を見てしばらくしたらコールが終わった。無事が知れたので今日はもう寝ます。おやすみ、いい旅を。